今日から日記をつけることにしましたにゃ。エルファンは作家を目指すのです。がんばるのです。でもあまり賢くないから、字とかまちがってたらごめんにゃ。
白猫さんが歩いていたので、声をかけてみたら友達になってくれました。赤いリボンが、とっても素敵ですにゃ。
いろいろ教えてあげました。銃器の壊しかたとか、細かいことまで知っているんです。エルファンは何も教えてもらっていないけれど、エルファンは教えるだけで満足なのです。
おやつのキャンディを食べようとしたら、敵に遭遇してしまいました。以下、できるだけ忠実に再現してみましたですにゃ。……
バグに遭遇!
うにゃっ? 変な虫にゃ!
バグはエルファンの側面に回り込んだ!
変な虫のくせに生意気にゃ! 木っ端みじん切りにゃ!
いっくにゃ〜ん☆ ねこぱーんち!
かわされたにゃ……。この虫、なかなかやるにゃん。
「ブ〜ン」 (エルファンの周囲を飛び回る)
にゃ! うにゃっ! にゃっ!
「ブ〜ン ブゥゥ〜ォン」 (接近と離脱を繰り返す)
うにゃぁぁぁっ!
エルファンの全力攻撃! バグに命中弾! 敵を撃破した!
はぁ はぁ にゃはぁ…… 勝てたのかにゃ?
とっても疲れたのです。ただの虫があんなに強いなんて夢にも思わなかったです。敵は見かけによらないとはこのことですにゃ。
それからしばらくして、なんといちごキャンディを見つけたのです。きっと猫神様の思し召しですにゃ。
しろさん(E-No.10266)が情報分析を教えてくれました。しろさんはエルファンの先生なのです。
今日教わったのは「情報分析」という言葉ですにゃ。この世界は、まだ知らないことばかりなのです。
いちごキャンディはおいしいのです。大好きです。でも夢の中に出てきた変な虫は、まずかったにゃ。
「ブ〜ン」
例の変な虫にゃ。キャンディを食べたくて寄ってきたのかにゃ? でも渡さないから覚悟するにゃ!
「ブゥ〜ンンンッ…………クシャッ」
もう楽勝にゃん。でもやっぱりねこぱんちを使わない日はストレスたまるのです。エルファンの悩みの種ですにゃ。
「にゃおーん」
戦いには勝ったというのに、エルファンはどこか寂しそうにひと鳴きします。
「疲れたにゃ……」
「寒いにゃ。どこか寒くないところを探すにゃ……」
翼を休めるため取り外すと、武装がとれてエルファンは本来の姿に戻ります。ピンとたった耳から、ふさふさした尻尾までが、彼女の唯一の防寒具なのです。
エルファンは再び歩き始めました。この殺伐とした地で生き延びていくためには、まだ多くを学ばなければなりません。
やがて明かりが見えてきました。僅かながら、人の話し声も聞こえてきます。エルファンは疲れた足のことも忘れてしまい、駆け出していました。
「街にゃー!」
久しぶりに人間たちに会えるかもしれないのです。
エルファンは街の入口に不思議な看板を見つけました。ときどき人がやってきては、眺めたり、書き加えたりするのです。
いろいろな人が見に来るようです。なかには、エルファンと同じ立場なのか物々しい武器を抱えたり、翼を着けたままの人もいます。
「こんなに大きな板、初めて見たにゃん」
エルファンは早速何か書いたようです。
彼女は公用文字を書くことが出来ないのですが、幸いにして口述筆記装置が用意されていました。魔法科学も進歩したもので、彼女の言葉を意味の通る文章に自動的に変換したようです。
「誰か見てくれないかにゃ〜」
午前0時。
エルファンはなかなか寝つけませんでした。街は夜中だというのに賑やかです。そんな日は猫も心なしか興奮するものです。
「うにゃ」
目をうっすらとあけて辺りを眺めます。
煤こけた寝室の壁がみえます。前に使った人が魔法で焦がしたのでしょうか。それに所々、ブキミな緑色に輝いています。夜中に原始生物が這っているのでしょうか。怖くなったので、エルファンは部屋のことはあまり考えないことにしました。
「やっぱり眠れないにゃ……」
にゅーんと背伸びします。
尻尾が細かく震えます。いつもと違って、尻尾の震えは止まりませんでした。エルファンは確信しました。
なにか予感がするのです。眠っていたはずの本能が、彼女に残っていた僅かな眠気を吹きとばしました。
「きっと戦いがはじまるにゃ!」
バリーン!
申し開きようがないくらい思いきり窓ガラスを粉砕すると、エルファンは部屋から身を躍らせます。
衝撃で窓枠まで落下してしまいました。
この怪しい翼に、エリアスの警備班が気付かないはずがありません。警報が鳴り響き、うたた寝していたと思われる彼らを叩き起こしたのです。彼らの怒りを象徴するように、青白い軌跡を描く数発の誘導ミサイルが空を切ります。
「怖い人間たちにゃ〜!」
必死で逃げるエルファン。窓ガラスのことはすっかり忘れてしまったようです。
そのとき、誘導ミサイルが空中で突然爆発しました。理由は分かりませんでした。そして小さな影は闇に紛れて、見えなくなりました。
ロスマという街で、しろさんたちと一緒に戦ったのです。間に合ってよかったにゃ。変な虫はいなかったけれど、もっと強そうなのがいたのです。危なかったですにゃ。
しろさんはエルファンの友達です。情報分析の先生なのです。だから、いつでも呼んでいいのです。
大きな板に書いた募集で、友達が増えたのです。ツヴァイさん(E-No.10819)と、シャンティさん(E-No.10907)です。
ツヴァイさんは、エルファンに新しい遊びを教えてくれたにゃ。銃器の壊しかたパート2なのです。でもそこで大変なことに気づいてしまったにゃ! いままで壊しかただと思っていたのは、実は使いかただったのです。銃器の世界は奥が深いですにゃ。
シャンティさんとは一緒に情報分析の勉強しました。情報分析学の実践篇なんです。ついでに猫語も勉強するのです。楽しみですにゃ。
支援要請なのです。今日はずっと北のほうまで飛んでいきました。
しろさんの話では、そこに怪しい洋館があって、なにか出るらしいですにゃ。雪国だから、きっと雪だるまにゃん。
(註:事実が正確に伝わっていないようです)
でも違ったにゃ。エルファンは知らなかったから、敵に襲われて驚いたのです。それから棒で殴られて、ブキミな液体をひっかけられて、コワいお兄さんに針で経絡秘孔をつかれたのです。ふんだりけったりとは、このことですにゃ。
少し遠出してみたにゃ♪
いま、アーメルムードという街に来ているのです。ツヴァイさんとシャンティさんも一緒です。えっと確か……ねずみを捕まえる依頼にゃ。
「君がエルファン・ミンクだね。猫耳族……なのかな?」
「そんな君にピッタリの依頼が来ているよ。ネズミ退治さ!」
退治でも捕まえることには変わりないにゃん。
なのに変ですにゃ。地下にはねずみ一匹もいなくて、ふにゃふにゃしたナゾの物体しかないのです。仕方ないので銃を使うことにしたにゃ。
ナゾの物体さん、ねずみを食べちゃったのかにゃ?
どうしても気になったから、もう一度だけ下水道に来てみたのです。でもねずみはいなかったにゃ。ナゾの物体は体当たりしてきたので少し怖かったです。この物体はジェルというらしいです。なんか感じ悪い名前にゃ……。
シャンティさんは、もっとのんびりしたいと言ってました。
エルファンも同じ気持ちですにゃ。
大事なことを忘れるところだったにゃ。
今日はツヴァイさんに銃の構えを教わったのです。構えはとっても大事らしいです。
銃を翼にぶら下げたまま使っていたエルファンは、あまり命中率がよくなかったのです。それで、構えの練習をしたのです。これからはきっとよくなると思うにゃ〜
しろさん、ツヴァイさん、シャンティさんの戦いの支援もおこなったにゃん。みんな無事で良かったですにゃ。
ここは自然に囲まれたグリーンワットの街。しかし最近、街道に物騒なモンスターが現れるようになったとの噂があります。
「にゅ〜」
エルファンは別のことで困っているようです。
「思わずミサイルを買ってしまったのです」
先程出会った武器商人は、言葉巧みにエルファンを誘導しました。あまり賢くないねこみみは格好のターゲットだったのです。
「でも使いかた知らないのです。にゃぅ……」
結局、仲間たちの説得もあって、ミサイルランチャーを適当に使ってみることになりました。暴発しても被害が及ばないことを祈りつつ……。
街道を歩いていると、唐突に話しかけられました。
ゴブリンのようです。小悪魔を従えています。
「おい貴様! 最近この辺りを荒らし回ってる猫耳だなっ!?」
「にゃ、にゃっ?」
心当たりのないエルファンでしたが、ゴブリンはこの返事を肯定の意に受けとったようです。
「やっぱりそうか。俺達に罪をなすりつけやがって! この暴れ猫がッ!」
「フーッ! 勝てるもんならかかってくるにゃ〜!」
「野郎ども! 奴らをタタんじまえー!」
奇声とともに襲い掛かってきます。こうして、なし崩し的に戦いが始まってしまいました。
いいにおいがします。きっと山の香りです。こんな日は、昼寝するに限りますにゃ。
「エルファンッ!」
……誰か呼んでいるにゃ。
エルファンはゆっくり目を覚ましたのです。
そしたら目の前に誰かの顎があったのです。驚いてひっくり返ったら、尻尾を噛まれたにゃ……。
敵は三匹。囲まれています。でも怖くありません。エルファンにも仲間がいます。三対三なのです。それに今はミサイルがあるのです。にゃふふ……ミサイルの試し撃ちにゃ。
今日もごほうびにいちごキャンディをもらいました。猫神様、ありがとうですにゃ。
シャンティさんはアルバイトに行きました。行ってらっしゃいにゃ〜♪
ツヴァイさんは今エルファンと一緒に散歩しているにゃ。
しろさんたちはまた例の洋館にいるのです。ホラーが好きなのかにゃ?
今日も、しろさんに会いに行きました。
あの洋館は、まだ誰もナゾを解いていないのです。気になるにゃ。やっぱり雪だるまの怨念を解くのが先だと思うにゃ。
しろさん、新しいパッシブセンサの調子はどうにゃ?
エルファンもがんばるのです。翼の状態をチェックしてみました。
『M200:目標≪ファフニール≫を捕捉中...』
『M200:3分以内に発射します』
……違ったにゃん。
『SENS:誰かの知力が足りません』
誰かって誰にゃ〜
ちょっとだけ不安になってきたにゃ。
魔物が多くて困るというお話です。そこでエルファンたちは見回りに出かけました。
ナワバリじゃないのにパトロールします。えらいのです。
使えるのか不安だったミサイルも、ちゃんと使えているにゃ。嬉しいですにゃ。
アルバイトに出かけていたはずのシャンティさんに、冒険に誘ってもらいました。アルバイトを抜け出して来たのかにゃ〜 きっとそうにゃ。猫は何でも知っているのです。
……ちょっと言い過ぎかもにゃ。エルファンは猫神様の次の次の次くらいに物知りなのです。このくらいがちょうどいい感じにゃ。